ペットの目薬 10箇条
正しく目薬を使いましょう
1. お手本を見てみる
動物病院で目薬のさし方のお手本を見せてもらいましょう。
ペットに目薬を点眼をする時のポイントです。
・目薬を目の後方から持ってくる。
・ペットの顔(あご)を少し上にむける
・上まぶたを少し引き上げて結膜(白目)に点眼する
・目薬の先端がまぶたや毛に触れないようにする
実際に見るとわかりやすいです。慣れると簡単に目薬をさすことができるようになります。
2. 無理やり点眼しない
とても大切です!
最初は飼い主様もペットを目薬をさすことに慣れていないので特に気をつけましょう。初めての方はまず、慣れるために目薬のトレーニングを行ってみてください。
犬や猫は一度嫌な思いをしてしまうと、次から目薬を嫌がるようになってしまいます。食事制限がない子は目薬をさした後におやつなどご褒美を使ってみましょう。お家の外や、高い場所など場所を変えると目薬をさせるようになる子もいます。
目薬=いいいこと と思ってもらいましょう
行動学監修 平沼宏子獣医師
3. 点眼前に手を洗う
点眼前に手を洗いましょう。
目薬は衛生的に保つ必要があります。開封後は目薬の中で細菌が繁殖しやすくなります。飼い主様の手指が目薬汚染の原因になることも多いです。
ペットは被毛が多いので、点眼をする時に目薬の先がまぶたや毛に触れないように気をつけます。目薬のキャップの取り扱いにもご注意ください。
4. 目薬は1滴で十分
目薬は1滴がしっかり入れば、それ以上は必要ありません。
たくさん点眼しても効果は同じです。溢れた目薬は眼瞼炎の原因にもなります。
費用の面でもしっかり1滴をお勧めします。効率よく目薬を使いましょう。
5. 目薬の間隔は5分以上開ける
2種類以上の目薬を使うとき、続けてさすと薬の効果が弱くなります。
目薬は5分以上開けて点眼しましょう。
2種類以上の眼軟膏は10分以上開けて点眼してください。
6. 目薬が先、眼軟膏が後
目薬には目薬(水)と眼軟膏(油)があります。
異なる種類の目薬が処方されたら、目薬→眼軟膏の順番で点眼します。間隔は5分間以上開けます。
7. 目ヤニは取り除いてから
目ヤニが多い時は取り除きましょう
目ヤニはまぶたの奥にたまっていることもあります。たくさん目ヤニが出ている時は人工涙液などを数滴点眼して洗い流すようにします。(人工涙液に関しては涙の代わりの目薬を読んでください。)
点眼をする時は目薬の先が目ヤニに触れないように注意しましょう。
⚠️市販されている目薬(ペット用・人用)の中には注意が必要なものがあります。使用する前に獣医師にご相談ください。
8. 温度・遮光を確認
温度・遮光 は必ず確認するようにしてください。適切に保管しないと目薬の効果が低下してしまいます。
温度の管理
室温保存 1℃〜30℃ 夏期は注意
冷所保存 15℃以下 凍結は厳禁
冷蔵庫の温度は2℃〜5℃なので目薬の保管に適しています。ただ、凍結の恐れがあるため、吹き出し口近くに置かないようにご注意ください。
⚠️冷蔵庫で保管した目薬は常温に少しおいてから、点眼してください。目薬が冷たいとしみたり、嫌がるようになってしまうことがあります。
遮光の目薬の管理
必ず処方時に入っていた目薬袋(遮光袋)に入れて 直射日光の当たらない日陰で保存することをお勧めします。
9.開封後の期限は1ヶ月
開封して使い始めると細菌が繁殖しやすくなります。
一般的な目薬の使用期限は開封後1ヶ月程度です。1ヶ月を過ぎたものは余っていても処分し、新しい目薬を使うようにしましょう。
通常の目薬は5ml容器ですが、それ以上の大きい容量の目薬を使う時はご注意ください。未開封であれば、目薬に記載されている使用期限まで使えます。(温度管理に注意しましょう)
開封後当日・7日間・10日間など期限が短い目薬もあります。目薬を受け取る時にご確認をお願いします。
10.しみていないか確認
目薬をさしたら、数分間様子を観察してください。
目薬がしみている時は、下記の症状がみられます。
点眼後のチェックリスト
・目をシパシパする
・目を閉じる
・目を擦る
・目が赤くなる
点眼後に上記の症状が見られ、その症状が改善しない時は
一度目薬をお休みして、動物病院にご連絡をお願いします。
やっぱりどうしても目薬がさせない時は…
残念ながら、どんなに工夫して頑張っても目薬をさせない子はいます。
点眼治療を行うために行動診療科のアドバイスが必要な場合があります。点眼ができるようになるトレーニングはとても時間がかかるため点眼治療がいますぐ必要な子に対応することは難しくなります。
日頃より投薬・点眼が困難な子は健康な時に行動診療科へのご相談をお勧めいたします。
最後にお願い
ペットの目の病気の治療のために、目薬を正しく点眼していただく必要があります。飼い主様のご協力をおねがいします。
大変恐縮ですが、当サイトの全ページの著作権は当院に帰属し、内容・画像等の無断転載・無断使用は一切禁止とさせていただいております。
koira kissa pet clinic