犬や猫のコンタクトレンズ

犬や猫のためのコンタクトレンズがあるのはご存知でしょうか。視力を良くするためではなく、角膜の保護や傷(角膜潰瘍)の治療のために専用のコンタクトレンズ(バンデージコンタクトレンズ)を使用します。

角膜潰瘍は痛みを伴うことがあります。なかなか治らず治療が長引いてしまう時にはコンタクレンズによる治療をご提案させていただくことがあります。

コンタクレンズの着脱は動物病院で獣医師が行います。飼い主様が行うことはありませんのでご安心ください。

犬や猫のコンタクトレンズは、犬種や体格に合わせたサイズを選択します。サイズが合うと数週間は違和感なく過ごすことができます。猫ちゃんは早めに落ちてしまうことが多いですが、数日でも治療効果は十分にあります。装用後は、コンタクトをつけたまま過ごします。その間エリザベスカラーをご使用いただき、点眼も必要になります。

つけた直後の写真です。ぱっちり目を開けることができます。

もし脱落してしまった場合、残念ですが再利用はできません。

コンタクトレンズの良い点

・角膜潰瘍の治癒促進効果が期待できる

・角膜を保護するので、潰瘍時の目の痛みが緩和される

コンタクトレンズの欠点

・医療用・動物用のために値段が高価

・装用後すぐに外れてしまうことがある。(再利用ができない)

・エリザベスカラーの着用が必要

・細菌感染などのトラブルが起こることがある

トラブル防止のために、装用後は数日〜1週間程度での再診をお願いしています。

コンタクレンズの装用処置は数分で終わり、痛みはほとんどありません。(角膜の処置と併せて実施する場合は少し長くなります。)通常の眼科検査を受けることができる子であれば鎮静は必要なく、点眼麻酔だけで処置が可能です。処置後すぐにご自宅に帰ることができます。

装用後はご自宅で様子を見ていただく必要があります。エリザベスカラーを着用し、指示通りに目薬をさしてください。目薬は防腐剤が入っていないタイプのものを使用します。

⚠️目ヤニがたくさん出るようになった

⚠️目を閉じたままになったり、シパシパする事が増えた

など、使用前よりも状態が悪化している時は、動物病院にご連絡をお願いします。

 

コンタクトレンズを用いた角膜潰瘍の治療経過です。3枚目の写真(2週間後)では潰瘍が治癒しています。処置後にコンタクトレンズを使うことにより、痛みの緩和も期待できます。

コンタクトレンズは角膜潰瘍の治療の時に用いられます。ドライアイや細菌感染などがあると、使用できない事もあります。

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