犬の緑内障
緑内障は犬も猫も発症しますが、今回は犬の緑内障を中心にお話しします。
緑内障は目の中に水(眼房水)がたまり、眼圧が上昇します。
眼圧が上昇する=目が硬くなり、そして眼球が大きくなります。
網膜・視神経へのダメージも起こり、最終的には見えなくなってしまう能性がある深刻な病気です。網膜・視神経は障害を受けると元に戻らなくなるために、早い段階での対応が必要になります。
緑内障では明らかにいつもは違う症状が見られることがあります。
緑内障であっても上記の症状が見られない場合もあります。また、これらの症状があっても緑内障ではなく違う病気の可能性もあります。いずれにしても症状が見られたら、必ず動物病院で眼の検査を受けましょう。
緑内障の時は同時に角膜潰瘍・ドライアイなどを併発していないか確認する必要があります。また、白内障、ぶどう膜炎、水晶体脱臼など他の目の疾患が原因で緑内障(続発性緑内障)を発症することもあります。
緑内障の治療は、まず目薬で眼圧を下げる治療を行います。
犬の緑内障の目薬には目の中の水(眼房水)の量を調節する(減らす)目薬を点眼します。
①水の排出を促す目薬(水が流れ出るようにする)
②水の産生を抑制する目薬(水を作らないようにする)
2種類の目薬があります。最初は①の目薬を使うことが多いです。①の目薬は瞳孔(瞳)の大きさが小さくなる(縮瞳)したり、目が赤くなったりすることがあります。
緑内障の目薬は刺激が出ることがあります。使い始めは特に、目薬を点眼した後にシパシパしたり、擦ったりしないかご様子を見るようにして下さい。目薬についてはペットの目薬をお読みいただき、正しく使うようにお願いします。
緑内障になった場合はその反対側の目も緑内障になるリスクが高くなるので注意が必要です。
視力がある(見えるようになる可能性がある)緑内障と、視力がない(見えるようになる可能性がない)緑内障では治療方針が少し変わってきます。
緑内障は外科的な処置が必要になることがありますが、視力がある緑内障は、その視力を守るために早めに外科的な処置が必要になることがあります。
犬の緑内障は見えなくなってからしばらく経ってからの受診が多く、その場合、眼圧を下げる事ができても視力回復が見込めない可能性が高いです。
見えなくなってから病院に行くと、治療をしても見えるようになる可能性が低くなります。
緑内障は早に発見して治療を開始することが、その子の視力を守るために非常に大切です。
どの犬種でも緑内障になる可能性はありますが、緑内障になりやすいと言われる犬種もいます。
緑内障になりやすい犬種
- 柴犬
- シー・ズー
- ミックス
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ビーグル
- トイ・プードル
- ミニュチュア・ダックスフンド
なりやすい犬種の子は特に気をつけましょう
眼圧は健康な時に確認することをお勧めいたします。その子にとっての、いつもの眼圧を確認しておくと、眼圧上昇の早期発見につながります。
日頃よりペットの目をよく観察していただき、気になることがあれば早めの受診をお願いします。
KOIRA KISSA Pet Clinic